후리가나로 읽는 일본 고전
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めをあいてみる
目をあいて見る
宮本 百合子
宮本 百合子의 目をあいて見る(めをあいてみる)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 921자 · 2화면
帝銀事件として、帝国銀行椎名町支店におこった全行員から小使一家までの毒殺事件は、意味のわからないほど惨酷な毒殺方法で、すべての人の心を寒くした。犯人の目星がついた、つかないと、推理小説家まで動員されてのさわぎのうちに、日は一日と過ぎている。人の噂も七十五日、という日本らしい健忘症のうちに消しさられないことを切望する。
この帝銀事件が、わたしたちに教えていることは極めて意味がふかい。人間を殺すことを平気でやれるように、日夜教育し実践させた戦争の犯罪性が、まざまざと反映している上に、おどろくような権力への屈従癖が惨劇の発端をなしていることである。椎名町支店長は、痛恨をもって、自分が、怪人物の腕に巻いていた衛生局の腕章にけおされて、行員にも服薬させたことを告白している。そして、日本人のわるい癖で役所からというとつい服従する、と歎いて語った。
日本の人民は、久しい絶対主義と封建性とで、お上、役所、役人、何でも官僚的な権力に対して、殆ど独立人としての判断さえ示さない習慣がある。長いものには巻かれろ、という封建時代のことわざを、言葉として否定していても、精神は屈従し、打算保身は膝をかがめさせる。