후리가나로 읽는 일본 고전
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ちちぶきこう
知々夫紀行
幸田 露伴
幸田 露伴의 知々夫紀行(ちちぶきこう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 15,784자 · 31화면
涼しき中にこそと、朝餉済ますやがて立出ず。路は荒川に沿えど磧までは、あるは二、三町、あるいは四、五町を隔てたれば水の面を見ず。少しずつの上り下りはあれど、ほとほと平なる路を西へ西へと辿り、田中の原、黒田の原とて小松の生いたる広き原を過ぎ、小前田というに至る。路のほとりにやや大なる寺ありて、如何にやしけむ鐘楼はなく、山門に鐘を懸けたれば二人相見ておぼえず笑う。九時少し過ぐる頃寄居に入る。ここは人家も少からず、町の彼方に秩父の山々近く見えて如何にも田舎びたれど、熊谷より大宮郷に至る道の中にて第一の賑わしきところなりとぞ。さればにや氷売る店など涼しげによろずを取りなして都めかしたるもあり。とある店に入り、氷に喉の渇を癒して、この氷いずくより来るぞと問えば、荒川にて作るなりという。隅田川の水としいえば黄ばみ濁りて清からぬものと思い馴れたれど、水上にて水晶のようなる氷をさえ出すかと今更の如くに、源の汚れたる川も少く、生れだちより悪き人の鮮かるべきを思う。ここの町よりただ荒川一条を隔てたる鉢形村といえるは、むかしの鉢形の城のありたるところにて、城は天正の頃、北条氏政の弟安房守氏邦の守りたるところなれば、このあたりはその頃より繁昌したりと見ゆ。