후리가나로 읽는 일본 고전
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すずりとすみ
硯と墨
中谷 宇吉郎
中谷 宇吉郎의 硯と墨(すずりとすみ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 10,996자 · 22화면
そういう程度に科学を考えている人は、墨色とか溌墨とかいう芸術世界の神秘的な現象は、なかなか科学などの歯の立つ問題ではないと考えられるであろう。しかし科学もそう馬鹿にしたものではない。
ただ従来とかくそういうふうに思われ勝ちであったことは事実である。そして実際に科学はこういう問題には全く無力であった。それは非常にむつかしい研究であって、出来合いの器械を買って、決り切った方法で落穂拾いをやれば、論文がすぐ出来るというのとちがって、なまくらでは、一寸手に負えない問題なのである。それでいてそういう研究をやっても、研究費も出ないし、誰も喜びもしないということになれば、結局誰も手をつけないことになってしまうのも無理のない話である。
もっともこれを本当にやるとなったら、お膳立が大変である。名のある名墨を何本と集めて、端溪だの歙硯だのと贅沢をいって、紙を特に漉かせてという話になる虞れがある。事実虞れではなく、そうして、それ等をどんどん使い潰す気でなくては、この研究は出来ない。旧い時代の名墨には、何か微量の稀有元素でも混っているかもしれないから、スペクトル分析もしてみたいし、無機質の量を調べるためには、唐墨の一本くらいは燃して灰分が残るかどうかを調べてみる必要も出てくるであろう。