후리가나로 읽는 일본 고전
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かんだをさんぽして
神田を散歩して
寺田 寅彦
寺田 寅彦의 神田を散歩して(かんだをさんぽして)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 4,623자 · 10화면
あるきわめて蒸し暑い日の夕方であった。神田を散歩した後に須田町で電車を待ち合わせながら、見るともなくあの広瀬中佐の銅像を見上げていた時に、不意に、どこからともなく私の頭の中へ「宣伝」という文字が浮き上がって来た。
それはどういうわけであったかよくわからない。その日は特別な「何々デー」というのでもなかったし、途中で宣伝の行列や自動車に出会った覚えもない。おそらく途中の本屋の店先かあるいは電柱のビラ紙かで、ちらと無意識に瞥見したかあるいは思い浮かべたこの文字が、識域のつい下の所に隠れていて、それが、この時急に飛び出して来たのかもしれないと思う。もっともそれにしたところで、広瀬中佐の銅像を見ていたという事が、どういう機縁になってこれが呼び出される手続きになったのか、これに関する筋の立った説明はなかなか簡単でないように思われる。
それはとにかく、私はその待ちおおせて乗った電車の上で、この「宣伝」という文字について取り止めないいろいろの事を考えてみた。しかしその時はそれきりで、何を考えたという事さえ忘れてしまっていたが、その後二三日たったある日の夕方、駿河台下まで散歩していた時に、とある屋根の上に明滅している仁丹の広告を見るとまた突然この同じ文字が頭の中に照らし出された。