후리가나로 읽는 일본 고전
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わたしたちのしゃかいせいぶつがく
私たちの社会生物学
宮本 百合子
宮本 百合子의 私たちの社会生物学(わたしたちのしゃかいせいぶつがく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 2,492자 · 5화면
こんな感情を、昔の教訓は面白い言葉で誡しめた。曰く「小人閑居して不善をなす」明治・大正の女流教育家たちは、その解釈を、日本資本主義の興隆期らしい楽天性と卑俗性とで与えた。人間は目的を持って努力の生活をすれば、自ら身体は強健になり、蓄財も出来、老後は天命を楽しめるのである。「怒るな。働け」と。
今日の生活は、こういう単純な警告に対して、論争はせずに唯笑って過す程、女の社会性は複雑になって来ている。はっきりそれを言葉として云うか云わぬかは別として、人生の目的という観念そのものに詮索の目を向けている。怒らず働いて、生活の不安がなくなるものならば、どうして少年少女の時代から怒らず工場でよく働きつづけた今日の青年達が、弱体であり、知能が低いと保健省を驚駭させるのであろうか。
働いている若い女のひとと、働らかないで暮していられる女のひととを並べて、毎日の生活感情に空虚感なんかない筈の理由を説得しようとしても、現実にそれは承引され難い。だが、近頃、若い男女が、反動に対する消極的な反撥のポーズの一つとして、今日私たちが生きている社会の悪時代を強調し、その悪気流の中で馬鹿ででもなければ、空虚感を持たずにいられる筈がない、と思っているのには、疑問がある。