일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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しほんたいへいき

私本太平記(七)

吉川 英治

吉川 英治의 私本太平記(七)(しほんたいへいき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 330,262자 · 662화면

아오조라 문고

彼の心は路頭をさまよう子に似ていた。

こんなとき、むかしからの賢人なる者は、山林へ去って行く。世をすてて隠遁する。

だがそれのできる正成でもなかった。名利に恋々たるのではないが、彼も一族の族長だ。乱世の権化みたいな熱血そのものの輩も多くかかえている。弟正季がしかりである。いやいや彼の自由をもっと狭い立場に追いつめていたのは彼にはどうしても軽く持てない自責だった。長としての責任感だった。

もしこの重い業をのがれたいのであったら、そもそもは、元弘の初め、笠置からの天皇のお招きをお断りすればよかったのである。しかるにすすんで勅を畏んだ。そのときすでに平和の民、南河内の一族有縁の女子供にいたるまでの運命はこの正成が業の輪廻に巻きこんでいたものだった。長としてのその原罪を、彼はみずからの性格のためにごまかしきれない。

しかし、拒んだら、のがれえたか。平和の民があのまま平和でいられたろうか。

むずかしい。考えられない。

でも正成の責任はそれで消えぬ、この正成の……と笠置の過去をかえりみたとき、彼ははっと、いまの衷心を訴えうるただひとりの御一人を胸のうちに見つけていた。