후리가나로 읽는 일본 고전
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しほんたいへいき
私本太平記(七)
吉川 英治
吉川 英治의 私本太平記(七)(しほんたいへいき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 330,262자 · 662화면
かくべつ異とも意外ともしてないらしい容子なのが、対者には、なお疑っているのかと思われて、むしろおちつかない眼ざしにさせていた。
しかし正成はそんな狐疑にとらわれているのではなかったのである。ちょっと思案のいろはあったが、後ろの蔦王へ、
「そちはここにいて待て」
と言い残し、そして男の顔へ向っては、
「あれへ参ろう」
と、道の横へ、あごをさして、自身、先に歩きだしていた。
坂の途中から正成の向いた方へはいってゆくと、そこには旧千早城の柵やら矢倉が朽ち傾いていて、いまは人もなき砦の跡の荒涼が、廃墟の石やツル草と共に足へつまずくばかりだった。
昼の月が淡く見える。
「それへ、かけるがいい」
言いながら正成も一つの石へ腰をおろした。
すると、そのとき不意に、男の背後へ襲って来た野猪のごとき者があった。何か、吠えたと思うと、二つの体は、早や組み合い、猛烈な勢いで、格闘していた。
事の不意に、
「大蔵っ、ひかえろっ」
正成は驚いて、制止した。
が、すでに二人の格闘は、鶏冠を咬み合った軍鶏のようなもの。耳もかす風ではない。
とくに忍ノ大蔵にすれば、下赤坂から尾行て来たものを、途中、不覚にも道から崖下へ蹴落されていたことでもあるのだ。