후리가나로 읽는 일본 고전
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しほんたいへいき
私本太平記(七)
吉川 英治
吉川 英治의 私本太平記(七)(しほんたいへいき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 330,262자 · 662화면
別れ霜
と、いう声などもせわしない。思うに、紀州の遠くへ使いに行っていた南江備前守と楠木弥四郎たちが、昼夜わかたず、急いで帰って来たものにちがいない。
別れ霜
待ちかねていた者たちの帰りを、正成はいまたそがれ時の燭に見ていた。
甥の弥四郎と、南江備前守とで、もう一名は途中の和泉から使い先へ加わって行った――これも一族の和田修理亮助家だった。
「えらかったであろ」
正成は、いたわって。
「助家も紀州田辺まで同道してくれたか。大儀だったな」
「いえ。……お力添えの足しにもならず、やはり田辺に入ることはさえぎられ、切目ノ宿の別当の御別院にて、別当定遍どのの代表と称せられる法橋殿にお目にかかり、御当家よりの要旨を申し入れ、まずは懇談だけはとげて、たちかえりましてござりまする」
「では」
正成の声の裏には、予想されていたものと、なかば、淡い失望の容子とが交叉していた。
「このたびも、ついに田辺までは、立ち入れぬわけだったのだな」
「なにせい、切目ノ王子より内は、熊野三山へかけて、きびしい領界の制を布いておりますことなので」
「ぜひもない。さきには、田辺へ降られた勅使すら別当には会えずに立ち帰ったとやら聞いておる。