후리가나로 읽는 일본 고전
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しほんたいへいき
私本太平記(七)
吉川 英治
吉川 英治의 私本太平記(七)(しほんたいへいき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 330,262자 · 662화면
居ながれていた一族の誰彼はすわり直した。――書院の廊をわたって、正成が来る。黒革にもえぎ縅しの地味なよろい、そのよろい下の白い襟もとが、肌着だけでなく、そこはかとない清潔さを象徴していた。うしろからは、正行が、ややうつむきかげんに父に添ってあるいてくる。
正成が坐った。
みな座にひそまる。
土器が手から手へ送られた。式は単純であった。無言の儀式といってよい。
「…………」
正季はそのあいだ正行を見まもっていた。泣き腫れた瞼の紅さが可憐で叔父として何か言ってやりたい気に駆られてならなかったからである。けれど自分の意は兄の心にそむくものであろうとして慎まれた。自然、正行にもその思いやりがつたわっていたのだろう。折々俯し目をあげては正行も叔父の唇もとへ頼みをかけるふうだった。しかし正季はついに何も言ってくれなかった。
「では」
正成はすぐ起った。
大玄関へかけて洞窟が開かれたような光と家じゅうの人影が奔り出た。卯木は観世丸を、久子は三郎丸と正時をかかえ、大勢の家人のあいだで良人の背を見送った。が、正成は一巡それらのたくさんな顔をながめ廻しただけだった。もう駒寄せへ出てその姿は郎従たちの上に高くそびえ、すぐその手綱を館門の外から右へむけていた。