후리가나로 읽는 일본 고전
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しほんたいへいき
私本太平記(七)
吉川 英治
吉川 英治의 私本太平記(七)(しほんたいへいき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 330,262자 · 662화면
寺中の将士は、尊氏につづき、一せいに山門の外へ流れ出た。といってもすべてで四、五十人をこえてはいない。このわずかなものがじつに尊氏の、天下の分け目をみかどと争う門出の兵力であったのだ。
つい今朝はまだ、身に袈裟をかけていた恭順の人が、具足馬上の人だった。かぶとは背に負い、烏帽子だったので、まだうらうらと冬靄の高きにはあがっていない太陽が彼の顔をまともから染めていた。そのきらやかなる“矛盾像”を、しかしその人自身は決して眩しげになしていなかった。しかと腹では割りきッている眉だった。
「頼春、頼春」
「はっ」
「わしの馬の尻について、よく駈けてくる童はだれだ、どこの童武者だ」
「ごぞんじの棗でございます」
「女か」
「はいっ。先夜の」
「なんであんな者を連れてまいる。追っ返せ」
「ききません。何といってもきかないのです。けれどあくまで殿のおん供をして行くのだと」
「修羅また修羅だぞ、行く先は」
「合点なのです、充分に」
「どういう料簡だ」
「わかりません、まったくわからぬ女です。……が、察しまするに、これまで自分が考えていた足利の大殿というものと、目に見た殿とは、まったくちがっていたと、いたく悔悟の念に打たれたものと思われまする」