후리가나로 읽는 일본 고전
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しほんたいへいき
私本太平記(三)
吉川 英治
吉川 英治의 私本太平記(三)(しほんたいへいき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 222,108자 · 446화면
――生れし所、生れし世、かくのごとき時なればと、ゆるさせ給え。――阿耨多羅三藐三菩提の仏たち」
と朝夕、ひそかには念じておられた。
元来、大塔ノ宮とは、御生母も異るが、すべてにおいてちがっている。おなじ美丈夫ながら、兄宮は六尺ゆたかな体躯で、叱咤は山谷に木魂する概を持っていたが、この弟宮のほうは、蒲柳であった。――歌よみの家の、冷泉家から出たおん母に似たものか、いと優しい。――いうならば、弟宮は母似、兄の大塔ノ宮は、父似ともいえようか。
だから、山門大衆の間では、
「両親王は、似も似給わぬ」
と、ささやき、
「座主は、春のごとく、大塔は秋のごとし」
といったりした。
また、その大塔ノ宮が一山の僧兵を指揮する秋霜烈日ぶりや、ご自身も朝夕に、太刀薙刀の猛訓練に一心不乱なお姿には、皆こういって舌をまいた。
「開山いらい、叡山百十六世、まだかつて、こんな稀代な座主は、この御山に見たことはない」と。
ところで、その日。
かつての侍僧忠円の密書を手にされた大塔ノ宮から、本院の座主へお使いがあると、ほどなく、弟宮の座主は、みずからその兄宮のいる東塔南谷の円融坊とよぶ坊舎の内を、そっと訪ねていたのだった。