후리가나로 읽는 일본 고전
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しほんたいへいき
私本太平記(三)
吉川 英治
吉川 英治의 私本太平記(三)(しほんたいへいき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 222,108자 · 446화면
時もそのころ。
山門の上では、根本中堂の大梵鐘がいんいんと鳴りわたっていた。
いつもの時ノ鐘ではなく、非常の鐘である。乱打とも聞える谷々の唸り、山のひびき。
八月二十四日の朝だ。
その鐘の予告を、たれがよく腸に聞きわけていたろうか。――国家安泰のために、また仏法万代のためにとおかれた千年の法の山から、以後百年余にわたる南北両朝の争乱やら民の塗炭が、ここに始まる未来の第一声が、いま撞き鳴らされていたものであろうとは。
「や、や?」
「すわこそ」
三塔十六谷の山法師は、各※(二の字点、1-2-22)のねぐらを蹴って、僧衣に武装した。まだ霧も黒い谷々から駈けのぼってくる弓、長柄、大薙刀などの光は、さながら谷間落葉を吹きあげる山風のすさまじさそのままといってもいい。――南嶺北嶺の高きにある堂塔をおどり出た大衆の集合はもっと早かった。
そして、大衆論議の場とされている大講堂の輪奐は、はや論議のない甲冑と刀箭に埋まり、ただ見る階廊の角に、一旒の錦の旗が、露をふくんで垂れていた。
大講堂の外陣の廊上には、長老、執行、四座などの上僧級が、いずれも忍辱の法衣に具足をよろって居流れているし、また、階だんの正面を仰げば、左に大塔ノ宮護良、右に、尊澄法親王宗良と並んで、その両宮だけは、御床几だった。