후리가나로 읽는 일본 고전
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しほんたいへいき
私本太平記(四)
吉川 英治
吉川 英治의 私本太平記(四)(しほんたいへいき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 229,324자 · 458화면
大蔵は、相手の腕をくむばかり寄りそいながら、またすぐ辻を捨ててズンズン山の方へ歩き出していた。
山とはもちろん金剛山のことでしかない。けれど金剛十方の裾はひろい。麓の村々から上へ越え出ても、さらに丘あり断層あり、また峰から峰がるいるいと重なっていて、どの辺が千早、金剛の主峰なのやらも、ふと、山ふところでは分らなくなるのであった。
「権三」
「へ」
「いやに元気がねえな」
「むりでサ親分。いったい、あっしをどこまでお連れなさるおつもりなんで?」
「来てるじゃねえかよ。ここはもう金剛山の内、桐山の大根田部落だ。……ム、どこかそこらの峰で一ト息つこうぜ」
ここまでには、もちろん寺元村の木戸、観心寺の柵、下赤坂の陣地など、すでに七、八ヵ所の寄手の軍区域は抜けていた。
それらの木戸ではいちいち当然な訊問をうけるが、そのたび権三は六波羅割符をしめし、大蔵は、表に「二階堂」裏に「荷駄組」と烙印した手脂でひかッている分厚い鑑札を兵に見せて通って来たのだ。
「どうだい、ここの見晴らしは。山は大繁昌という景色だな」
大蔵は腰をおろした。そして、大金剛の西面から北面、また頂上の空までを見上げ見下ろして権三へ言った。