후리가나로 읽는 일본 고전
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しほんたいへいき
私本太平記(四)
吉川 英治
吉川 英治의 私本太平記(四)(しほんたいへいき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 229,324자 · 458화면
べつに驚きもしなかった。そしてすぐ彼も山から姿を消した。
一方。――牛の背に乗って牛の歩みまかせに、人里へ降りて行った毛利時親は、まだ高野街道の途中にいた。
しょせん、金剛のすそから石川平野は、関東勢の陣圏内であろうから、通行もやっかいにちがいないとみて、わざわざ西へ避けたわけだが、つまらぬ廻り道だった。およそどんな山間の田舎でも、軍の駐屯と、そして兵糧徴発の輸送隊が道をうずめてないところはない。
「えらいこっちゃな」
時親は牛の背で世間を見物顔していた。いたるところの非常時騒ぎが、彼には苦笑ものらしい。
千早一つを陥すのに。
また、大塔ノ宮ただ一人を捕えるために。
彼にすればこの大げさな動員や輸送のほこりも滑稽なる狼狽か無策の拙さに見えるらしかった。戸板や牛ぐるまに載せられた重傷者のうめきが後方へ運ばれてゆくのをみても、彼の眉には、それらを傷む思いやりはみえなかった。ただ兵学者の批判的な数の読みと、敗者への嘲侮をひとみが持つだけだった。
「おや、いけねえ」
ふと、牛を止めて、甚内の息子の番作が、牛の背へ言った。
「隠者さま、また兵隊の屯ですぜ。むこうの木戸で往来調べをやってるらしい」