후리가나로 읽는 일본 고전
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しほんたいへいき
私本太平記(四)
吉川 英治
吉川 英治의 私本太平記(四)(しほんたいへいき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 229,324자 · 458화면
隠岐の島守
隠岐の島守
年はこえて、すぐ正月がきていた。
けれど新しい年の紀号も、
元弘三年
正慶二年(北方)
と、敵味方によって称びわけられるという変則な地上では、もとより四海兄弟などと唱えて祝福し合う初春景色などはどこにもない。
ただ高時の執権邸のおくで三ヵ日には鼓の音がもれていたくらいなもの。
柳営の門にも、例年の大紋烏帽子の参賀や式事すがたは見られず、代りに、おちおち正月気分も味わえずに征途へついてゆく武者ばらのあらびた猛り声や軍馬の馬糞が若宮大路を明けくれにうずめている。
ただ例外なのは、花街の大繁昌だった。
七切通しの安手な娼家から一流どこの茶屋、白拍子の家までが、夜ごと、やけくそな武人の遊興に紅燈をただらしていた。――むかし北条氏中興の名主、時頼や泰時が、障子のツギ貼りをしたり味噌をなめて、みずからの生活を節し、士風をいましめ、済民や水治の善政に心していた時代にくらべれば、あまりに隔世の感がある。――だが、今日の鎌倉武士はそんな“世代の美徳”にはお目にかかったこともないし、またかえりみているでもない。
すでに、一陣二陣と先に立って行った友軍の戦場からは、たくさんな戦死者報が、留守の家族へ聞えて、悲涙をしぼらせていたのである。