후리가나로 읽는 일본 고전
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しほんたいへいき
私本太平記(四)
吉川 英治
吉川 英治의 私本太平記(四)(しほんたいへいき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 229,324자 · 458화면
一面恫喝、一面柔軟、いつも対高氏の段になると一そう見得張る心理にかられるのもじつに妙なほどである。
「まだ見えんな」
伊吹の館をみると、道誉は駒をゆるめ、深い林に入る外曲輪の口から北国街道の方をふり向いた。
「大弥太。そちはここにいて、迎え役に立て。兵をならべ、槍ぶすまで迎えるのだ」
「こころえました」
「また民谷玄蕃は、二の曲輪の矢倉門で高氏を待ち、供びとはみな離して、彼一名のみを本丸の大書院へ通せ」
いちいち、手順までいいつけてから、道誉は館の奥へ消えこんだ。――東海、鎌倉はもう薄暑の候だが、伊吹の裾はようやく春闌けた早みどりの深みに駒鳥の高音がやや肌さむいほどだった。
「主膳、主膳っ」
道誉は自室から呼び立てて、
「いそいで酒を一」
と命じ、そのまに侍女の手で大よろいを脱ぎ、常の華奢姿にかえた。そして銀一杯の酒をぐうっと飲みほすと、脇息を枕に、
「やがて、足利と申す客が来よう。まいったら、おあるじは今、お昼寝中と、待たせておけ」
と、侍女たちへ命じ、顔へ扇子をあててしまった。
疲れてもいたらしいが、ほんとに眠る意志ではないにきまっている。横たわった道誉の顔は、扇子の下で、考えている。