후리가나로 읽는 일본 고전
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しほんたいへいき
私本太平記(四)
吉川 英治
吉川 英治의 私本太平記(四)(しほんたいへいき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 229,324자 · 458화면
そのほかどうも大勢の人間を乗せて来たらしい形跡がある。
それについて、能登はここでも二人の使僧をさんざん厳問した。
けれど使僧はあくまで、
「いや船中の者は、われら二人と六人の水夫だけで、余人は乗せてまいりません」
と、強硬に言いはり、船頭たちも口をあわせて抗弁する。
疑えばきりがなかった。濃霧の海上をそっとすべり入って、朝までにそこらの荒磯から人間を上げてしまえば、それまでのことである。
島は狭いとはいえ、焼火山一つの裾野だけでも十人や二十人の数が散らばッて潜むになんの造作があろう。――いやまさか、そこまでの企みはあるまい。そんな腹なら頼源から帝へのとどけ物なども、素直に預けて帰るはずもないのだ。
自問自答、やっと、能登は呑みこみ顔をみせて。
「帰ったら、寺中へ申し触れるがいい。いかなる船も、無断、島前の磯へ近よったら再び地方(本土)へは還さんぞと」
ほどなく。
虎口に似た湾外へ、寺船の帆はうすれ出している。しかも数十艘の舟手は、なお送り狼のように、知夫の雉ヶ鼻へんまで尾行していた。
柵へもどった能登は、すぐ人なき所で、検閲を始めていた。さきの使僧から託された――頼源僧都から帝のお手許へ――なる油紙包みの紙ヨリを無造作に解いてみたのだ。