후리가나로 읽는 일본 고전
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ひめられたるそうわ
秘められたる挿話
松本 泰
松本 泰의 秘められたる挿話(ひめられたるそうわ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 8,690자 · 18화면
「別に何にも怪しい物音などは聞きませんでした。貴方も一度お起きになったようじゃァございませんか」折江はちらと主人の方を見た。
「そうそう、俺は一遍便所へいったっけな。あれは十二時少し前で、米本さんの家の二階に電灯が点いていて、誰かがマンドリンを弾いていたようだった。今、つねの話では、衣川さんが帰ってきて、お婆さんが殺されているのを発見して、訴えたとかいっていたが、じゃあマンドリンを弾いていたのは誰だろう」
浅田は腑に落ちない様子でいった。
「マンドリンを弾くのが聞えたなんて、それは貴郎のお気のせいよ。衣川さんはいつもマンドリンを弾いていらっしゃるけれども、昨夜はお不在のようでしたわ」
「そうかしら、俺は確に聞いたように思ったがね。曲まで耳に残っているんだけれども……」
「最うそんなお話は止めに致しましょうね。でも貴郎、かかり合になるといけませんから、他人様にマンドリンの音を聞いたなどと仰有らない方がようございますよ」折江は良人の顔を見て何か不安らしい様子でいった。
浅田は食事の間にも折々、茫乎箸を休めて殺された婆さんの事を考えていた。婆さんは六十を越したいっこく者で、永い間雇人もおかずに、比較的広い家に、たった一人で暮していた。