후리가나로 읽는 일본 고전
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しんのしゅっぱつ
秦の出発
豊島 与志雄
豊島 与志雄의 秦の出発(しんのしゅっぱつ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 14,532자 · 29화면
然し秦は是非とも彼に面会する必要を感じた。朱鵬などは問題でなく、洪正敏でなければいけなかった。
「僕の見解は正しかった。りっぱな人物だ。」と秦は言った。
彼は使をやって面会を求めた。明日の午後二時に……との応諾だった。
彼は支那服をまとい、自動車に乗り、陳振東を連れ、部下の一青年に道案内されて行った。
南市の純粋な支那街の一角に自動車を留めると、そこの路地の入口に、一人の男が待ち受けていた。秦は陳振東と案内者とを自動車に残して、男に導かれた。
路地をはいり、幾つもの門をくぐり、階段を上って、思ったより狭い室に導かれた。その間、案内の男は彼の右手に寄り添い、幾度か彼の右脇に触れたらしかった。彼は内心で苦笑して、左脇の懐をそっと押えた。そこに、小さな拳銃をひそめていたのである。
「万一の用心だ。」と秦は言った。「仲毅生のことも先方に知れてる筈だったからね。」
室の中には、壁面に多くの書画の掛物、机上に陶製や銅製の古い花瓶、窓際に多くの椅子……そして片隅の机上に、写真帳が堆く積まれていたが、それは各地の風光の写真らしく見えた。
案内の男は他の男と代り、秦は中央の小卓の前の榻に腰をおろした。