후리가나로 읽는 일본 고전
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ほたかだけ
穂高岳
幸田 露伴
幸田 露伴의 穂高岳(ほたかだけ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 1,464자 · 3화면
山岳の秀美や荘厳を受取って吾が心霊の怡悦と満足とを覚える場合はおのずから二つある。一つは自分が歩きながらに絶えず変化して吾が眼前に展開し行く奇岩や峭壁や、高い嶺の雲や近い渓の水や、風に揺ぐ玉樹の翠や、野に拡がる草の香や、姿を見ぬ仙禽の声や、然様いう種々のものの中を、吾が身が経巡り、吾が魂が滾転し行いて、そして自分というものを以て幽秘神異の世界を縫って行く場合である。恰もそれは測り知る可からざる霊智と妙技とを以て描かれた大画巻を一尺二尺と繰りひろげながら驚異感嘆の心をもて観賞し行く心持である。又恰も大手腕ある史家が描いた一歴史を感動に満ちた心を以て一頁一頁と読みに行く心持である。そして其等にも増した何とも云えぬ感激を以て山径水涯を過ぎ行く其の心持というものは、到底比擬すべき何物も無い霊秘なものである。其筈である、大画巻も大文章も畢竟は自然の復現であって、これは自然の直現であり端的であるからである。
扨又他の一つはそれとは異なった場合であって、前のは吾が魂を以て自然境を縫った場合であるが、それは猶お時間というものが存在している。然るに其の時間という生緩いものも無くなって、礑と自然に魂が直面して打たれた場合である。