일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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はこねのやま

箱根の山

田中 英光

田中 英光의 箱根の山(はこねのやま)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 16,963자 · 33화면

아오조라 문고

朝の薄ら陽があかあかと箱根街道を照らしていた。二重廻しを着た六尺豊かな親父の私は、今年六つになる三尺にも足りぬ息子一郎の手を引いて、霜柱の立ったその街道に出て行った。

昭和十八年十二月三十日、私は歳末の一両日の休みを利用して、その前日から箱根湯本のある温泉宿に泊っていた。その前日は一郎を連れ、湯本から登山電車に乗って強羅まで上り、強羅からケーブル・カーに乗って早雲山、早雲山からバスで大涌谷を通って湖尻へ、湖尻の一膳飯屋ですいとんを二杯宛食べ、蜜柑を仕入れて、モーターボートに乗ったところ付近の国民学校の一年生たちが汚ない顔を元気よく輝かせ、国民服の少年のような先生の説明に興奮している様子が可憐であったから、これに蜜柑をあらかた遣ってしまい、元箱根に着き、そこで昼定食を食ってから、箱根権現を見物し、バスで湯本に帰って来た。翌日の三十日は朝から如何しようかとプランを樹てるまでもなく、山に登る事に決めていた。

と言うのは、その前日、登山電車の窓から一郎が初めて自分の肉眼で眺める、山と言うものの壮容に眼を輝かし、「お父さん、あのお山に登ろうねッ」と絶えず繰返していたからだ。