후리가나로 읽는 일본 고전
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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
谷崎 潤一郎의 細雪(ささめゆき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 194,628자 · 371화면
啓ちゃんはあの時どんなことをしたか、命を投げ出すどころではない、何一つ親身の情愛を示してくれなかったではないか、と云うのであるが、彼女が心から奥畑に愛憎を尽かすに至ったのも、あの時以来なのであった。なぜと云って、幸子も知っている通り、あの日奥畑は漸く阪神電車が通じるようになってから蘆屋まで訪ねて来、案じられるから様子を見に行って来ますなどと云いながら、結局国道の田中まで来て、僅かな水が出ているために彼処を渡れないでうろうろした揚句、板倉の家へ寄って彼女の無事なことを聞くと、それきり大阪へ帰ってしまったのではないか。あの夕方板倉方へ現れた時の奥畑は、パナマ帽に瀟洒とした紺背広を着、秦皮のステッキにコンタックスを提げて、こんな時にこんな風をして擲られはしまいかと思うような身なりをしていたそうであるが、あの田中の所の水が渡れなかったのも、折目の附いたズボンを濡らすのが厭だったのではあるまいか。それを貞之助や、板倉や、庄吉までが彼女を救い出すために泥まみれになって働いてくれたのと比べると、余りな相違ではないか。彼女は奥畑のお洒落なことを知っているから、何も泥まみれになってくれと云いはしないが、あれでは普通の人情さえないのである。