후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
ぜつえんたい
絶縁体
豊島 与志雄
豊島 与志雄의 絶縁体(ぜつえんたい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 18,752자 · 38화면
だから市木さんは、鉛筆でしか書かない。鉛筆で書くことによって最もよく、自然を自然自体として表現出来る。市木さんは自然を自分のものとしようとは思わず、ただ自然自体として楽しむのである。
市木さんのそういう見解は、私には納得がいかなかったし、一種の負け惜しみのようにも思えた。だが、私の注意を惹いたことが一つあった。市木さんは言った。
「わたしは自分自身をも、自然自体の一つとしたいのですが、なかなかその境地まではゆけませんな。」
ぶらぶら歩いて、市木さんの家の前まで来た。市木さんは私の方を顧みた。
「ちょっとお待ちなさい。今すぐ開けます。」
まるで、私が立ち寄ることにきまってるかのようだった。私は躊躇した。市木さんは鍵を取り出して、格子戸についてる錠前をあけた。
「さあおはいりなさい。」
何か用があるのかも知れないと思って、ついてゆくと、縁側に招ぜられた。そこに腰掛けて、茶と羊羹との馳走になった。宇治から贈ってきたというその玉露を、市木さんは自慢したが、私にはただ甘渋いだけで、味のよさは分らなかった。
別に用があるわけでもなさそうだったから、私はほどよく辞しかけた。