후리가나로 읽는 일본 고전
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かいだんいちやぞうし
綺堂随筆 江戸のことば
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 綺堂随筆 江戸のことば(かいだんいちやぞうし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 13,152자 · 27화면
近所の人達もおせんの素姓をよく知っている上に、片輪の少女に対する一種の同情もまじって、その父を嫌うようにその娘を嫌いはしなかった。食うや食わずの実家にいるよりも、ここへ貰われて来た方がおせんのためにも仕合わせであるらしく思われた。
それからふた月ばかりは無事に過ぎて、養父と養女とはいよいよ睦まじいように見えたが、ある朝おせんが家の前を掃いていると、その頬や頸筋になまなましい掻き疵のあるのを近所の人たちが発見した。疵のあとには血がにじんで、見るからむごたらしいのに驚かされて、手真似でその子細を聞きただしたが、何分にも要領を得なかった。しかしその疵のあとが、かの源吉の疵によく似ているので近所の人たちも大抵は想像した。
「可愛そうに、あの子もきっと重兵衛の狐にやられたのだ。」
しかし源吉の場合とは違って、おせんは養父にも可愛がられ、自分もおとなしく働いているのに、なんでこんなむごたらしい復讐を受けたのか、その子細は判らなかった。もう一つ不思議なことは、その夜ふけに、重兵衛の家の奥で彼が小声で何者かを叱り罵るような声がきこえた。床の下かと思われるあたりで獣の唸るような奇怪な悲しげな声が洩れた。