일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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せんこうはなび

線香花火

中谷 宇吉郎

中谷 宇吉郎의 線香花火(せんこうはなび)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 4,329자 · 9화면

아오조라 문고

ところがこの赤味がかった光の弱い火花の写真を撮るということが、この頃のように速いパンクロマチックの乾板の得られなかった当時ではなかなか容易な業ではなかった。到頭夏休み中かかって微かな火花の痕跡の写真が撮れるというところで満足するより仕方なかった。それでも「何も写らないという間が一番苦労なので、どんなに微かでも何か写りさえすれば、その後立派な写真が撮れるようになるまでのことはわけはない」と云われる先生の言葉に安心して、この実験はひとまず切り上げということになった。

次の年の夏が来て、また線香花火の時期となった。その年の春大学を出て理研で引続いて先生の実験を手伝っていた私のところへ、東北大学の物理の学生S君がやって来て、何か夏休み向きの実験をやりたいという話があった。丁度良いところだったので、二人で線香花火の写真を撮り出した。狭い暗室の中に閉じ籠って、硫黄の香に咽せながら何枚も何枚も写真を撮って見る。その上乾板の感度を高めるためにアンモニアを使うので、換気の悪い暗室の中は直ぐ鼻をつく瓦斯に充満されてしまう。そのような感覚的の記憶は年を経ると共に苦痛の方面がだんだん薄らいで、懐しさの思い出に変って行くのも面白いことである。