후리가나로 읽는 일본 고전
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たんでき
耽溺
岩野 泡鳴
岩野 泡鳴의 耽溺(たんでき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 55,597자 · 110화면
こういう話しがあってから、吉弥とお袋とは帰った。まだ青木から餞別でも貰おうという未練があったので、かれを呼び出しに行ったのだが、かれは逃げていて、会えずにしまったらしい。
妻は跡に残った新芸者――色は白いが、お多福――からその可哀そうな身の上ばなしを聴き、吉弥に対する憎みの反動として、その哀れな境遇に同情を寄せた。東京からわざわざやって来て、主人には気に入りそうな様子が見えないのであった。
この女から妻は吉弥の家の状態をも聴き、僕の推知していた通り吉弥の帰るのを待っている男(それが区役所先生の野沢だ)があって、今度もそれが拵えてやった新調の衣物を一揃えお袋が持って来たということまで分った。引かされるのを披露にまわる時の用意になるのであったろう。
「田村さんの奥さんに会いたい」という人が、突然やって来た。それが例の住職だ。
こうこう、こういう事情になっているところを、僕が逃げたというので、その代りに住職に復讐しようと、町の侠客連が二、三名動き出したのを、人に頼んで、ようやく推し静めてもらったが、
「いつ、どんな危険が奥さんにも及ぶか分りませんから、今晩急いで帰京する方がよろしかろう」