후리가나로 읽는 일본 고전
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せいかぞく
聖家族
堀 辰雄
堀 辰雄의 聖家族(せいかぞく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 16,074자 · 33화면
そうして籐椅子に腰かけながら、しずかにそれを一枚一枚めくっていった……と思うと、突然、それを荒あらしい動作で自分の顔のところに持ち上げた。そしてその本のにおいでも嗅いでいるらしい。
「なんだか莨のにおいがいたしますわ」
扁理は驚いて夫人を見上げた。咄嗟に九鬼が非常に莨好きだったことを思い出しながら。そうして彼は夫人の顔が気味悪いくらいに蒼ざめているのに気づいた。
「この人の様子にはどこかしら罪人と云った風があるな」と扁理は考えた。
その時、庭の中から絹子が彼に声をかけた。
「庭をごらんになりません?」
彼は夫人をそのまま一人きりにさせて置く方が彼女の気に入るだろうと考えながら、ひっそりとした庭のなかへ絹子のあとについて行った。
少女は、扁理を自分のうしろに従えながら、庭の奥の方へはいって行けば行くほど、へんに歩きにくくなり出した。彼女はそれを自分のうしろにいる扁理のためだとは気づかなかった。そして少女のみが思いつき得るような単純な理由を発見した。彼女は扁理をふりかえりながら言った。
「このへんに野薔薇がありますから、踏むと危のうございますわ」
野薔薇に花が咲いているには季節があまり早すぎた。