후리가나로 읽는 일본 고전
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じさつをかうはなし
自殺を買う話
橋本 五郎
橋本 五郎의 自殺を買う話(じさつをかうはなし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 7,685자 · 16화면
自分の目的地がそこではないか。
念の為め、行人をとらえてその使すべき家がそれであることを確めると、彼は勇敢にも、その式幕を潜って表玄関に達した。
玄関にはテーブルを置き、其処には家令らしい老人が、紙硯を前に羽織袴で控えていた。彼は一度口の中で復習してから、教えられた通りを静かに述べた。
「恩田さんに会わして下さい。急用なんです、伴田からです」
彼は胸がドキドキした。がそれでよかった。
「恩田さんとな、暫時お待ちなさい」
機械のように老人が奥へ行くと、かなり間を置いてから、幼い女中が案内に出た。
「どうぞ、こちらへ」
で、彼が通されたのは奥まった洋室だった。応接室とは見えなかったが、簡素な、茶を呑むに格好な造りだった。
待つ間もなく、細面の上品な老人が這入って来た。やはり羽織袴で、酒の加減であろう、上機嫌に見えた。
「わしが恩田じゃが、あんたが伴田さんかな、うむよく来られた、苦しいところをよく来られた、わしはとうから察して居りますじゃ」
老人の面には、チラと同情の影が通り過ぎた。彼は眼を瞑って云った。
「敏子さんに会わして下さい」
「うむ無理もない、じゃがのう伴田さん、世の中の事はむつかしいもんじゃ、意の如くならんもんじゃ、わしは会わせたいが世間がそうはさせぬ。