후리가나로 읽는 일본 고전
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じゆうじん
自由人
豊島 与志雄
豊島 与志雄의 自由人(じゆうじん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 69,030자 · 139화면
親類縁者の間の世話は、受くるにしても与えるにしても、最も慎重な配慮を要する。知友の間では、僅かな配慮で足りる。赤の他人の間では、殊に異邦人の間では、殆んど配慮はいらない。何故か。その間の行為が、功利的なものから次第に無償的なものへと高まるからだ。相手の自由を拘束することが次第に少くなるからだ。
無償の境地、自由の境地に、俺は自分の坐席を据えたいのだ。そのためにしばしば、国内的にも国際的にも俺は無籍者となることを夢想する。
俺がもし無籍者であったならば、恐らく周文圭は殺されずにすんだであろう。彼女の被害は俺との恋愛が原因だと諸般の事情から推察される。そしてあの場合には、戦争のこと国際政治のこと裏面工作のことなど、種々の複雑な非常事態が交錯していたとはいえ、かりにそれらをすべて取り除いたならば、果して二人の恋愛は安全であったろうか。そうだとは言えない。俺が日本人という壁から外に出ない限り、そして彼女が中国人という壁から外に出ない限り、別種の障碍が起ったに違いない。俺は現在、松本千重子に愛情を懐いているが、そして彼女の愛情も信じられるが、然しこの同国人間の愛情とても、如何なる障碍によって中断されるかも分らないのだ。