후리가나로 읽는 일본 고전
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くさもみじ
荷風随筆集(下)
永井 荷風
永井 荷風의 荷風随筆集(下)(くさもみじ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 30,512자 · 63화면
わたくしはこの時に当って、わたくしの身に猫のような陰忍な児のないことを思えば、父の生涯に比して遥に多幸であるとしか思えない。もしもわたくしに児があって、それが検事となり警官となって、人の罪をあばいて世に名を揚げるような事があったとしたら、わたくしはどんな心持になるであろう。わたくしは老後に児孫のない事を以て、しみじみつくづく多幸であると思わなければならない。
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文学者を嫌うのも、検事を憎むのも、それは各人の嗜性に因る。父の好むところのものは必しも児のよろこぶものではない。嗜性は情に基くもので理を以て論ずべきではない。父と子と、二人の趣味が相異るに至るのは運命の戯で、人の力の及びがたきものである。
大正十二年の秋東京の半を灰にした震災の惨状と、また昭和以降の世態人情とは、わたくしのような東京に生れたものの心に、釈氏のいわゆる諸行無常の感を抱かせるに力のあった事は決して僅少ではない。わたくしは人間の世の未来については何事をも考えたくない。考えることはできない。考える事は徒労であるような気がしている。わたくしは老後の余生を偸むについては、唯世の風潮に従って、その日その日を送りすごして行けばよい。