일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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くさもみじ

荷風随筆集(下)

永井 荷風

永井 荷風의 荷風随筆集(下)(くさもみじ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 30,512자 · 63화면

아오조라 문고

昭和十二年、わたくしが初めてオペラ館や常盤座の人たちと心易くなった時、既に震災前の公園や凌雲閣の事を知っている人は数えるほどしかいなかった。昭和の世の人たちには大正時代の公園はもう忘れられていた。その頃オペラ館の舞台で観客から喝采せられていた人たちの大半は震災後に東京へ出て来て成功した地方の人のみであった。しかしこの時代も今はまた忽ちにしてむかしとなったのである。平和の克復したこの後の時代にジャズ模倣の名手として迎えらるべき芸人の花形は朱塗の観音堂を見たことのないものばかりになるのである。時代は水の流れるように断え間なく変って行く。人はその生命の終らぬ中から早く忘れられて行く。その事に思い至れば、生もまたその淋しい事において、甚しく死と変りがないのであろう。

○

オペラ館の楽屋口に久しく風呂番をしていた爺さんがいた。三月九日の夜に死んだか、無事であったか、その後興行町の話が出ても、誰一人この風呂番の事を口にするものがない。彼の存在は既に生きている時から誰にも認められていなかったのだ。

その時分、踊子たちの話によると、家もあった、おかみさんもあった。