후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
きくやしき
菊屋敷
山本 周五郎
山本 周五郎의 菊屋敷(きくやしき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 36,620자 · 71화면
一
一
志保は庭へおりて菊を剪っていた。いつまでも狭霧の霽れぬ朝で、道をゆく馬の蹄の音は聞えながら、人も馬もおぼろにしか見えない。生垣のすぐ外がわを流れている小川のせせらぎも、どこか遠くから響いてくるように眠たげである、……露でしとどに手を濡らしながら、剪った花をそろえていると、お萱が近寄って来て呼びかけた。
「お嬢さま、もう八時でございます、お髪をおあげ致しましょう」
「おやもうそんな時刻なの」志保は眉を寄せるようにして空を見あげた、「……霧が深いので刻の移るのがわからなかった、それでは少し急がなくてはね」
「お支度はできておりますから」そう云いながらお萱は、まじまじと志保の顔を見まもり、まあと微かに声をあげた、「……たいそう今朝は冴え冴えとしたお顔をしていらっしゃいますこと、なにかお嬉しいことでもあるようでごさいますね」
「……そうかしら」志保は片手をそっと頬に当てた、「そういえば今朝はなんだかよいことがあるような気がして、……そんなことがある筈はないのだけれどね」
「そのように仰しゃるものではございません、虫の知らせというものはあるものでございますよ、それに今日は御命日でございますから、本当になにかよいことがあるかも知れませんですよ」