후리가나로 읽는 일본 고전
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おちぼひろい
落穂拾い・犬の生活
小山 清
小山 清의 落穂拾い・犬の生活(おちぼひろい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 239,741자 · 486화면
私達の一日、起床からはじまり就寝に至るまで。工場でのこともその人の号令を受けた。しかしその人はいつも号令をかける風にはやらなかった。例えば御飯の時など、九工場の担当は鶏が鬨をつくるような調子で、喫飯! と突拍子もない大きい声を出したが、その人は静かにただ「御飯。」と云った。すべてがそういう風だった。そしてそのことはその人らしくて、地味な温かなものが感ぜられた。
――まもなく部長になるのだ、そんな噂を仲間の者達はしていた。私のここでの生活は全くその人に依存していたのだ。もしその人の私に心を寄せてくれることがなかったならば、私は心細い思いでずっとつらい月日を送ったことだろう。弱虫で、その癖頑なな、人から親しみを寄せられない質の私が、こうした束縛された雑居生活に在って、なおその間を人間並みに送ることが出来たのは、その人の心の下にいたからだ。私はずい分助かったわけなのだ。その人にたよれなかったら私は仲間に馴染むことももっと薄かっただろう。すべての事が親しみなく過ぎていったことだろう。そこを出て九工場へいったあの時、その人は私を冷たい眼でチラと見ただけだった。