일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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おちぼひろい

落穂拾い・犬の生活

小山 清

小山 清의 落穂拾い・犬の生活(おちぼひろい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 239,741자 · 486화면

아오조라 문고

ただ僕は夢の中で僕が味わった甘美な気持を忘れることはないでしょう。現実では僕はそれを知らないのですから。

僕にはずっと前にも、これに似た夢の経験があるのです。その夢では、僕は少年時代の友と背を並べて歩いていました。そしてその時も同じ様に僕の心はわりなき楽しさに浸っていたのです。抑制、気づかい、そういうものから心はまったく自由にされ、云いがたき楽しさのみがありました。

先生、僕はどうしてこんな夢を見るのでしょうね。どうして現実の生活が僕にくれたことのないものを、夢の中では経験することが出来るのでしょう。

現実では僕の手はまだ一人の友の肩も抱いたことはないのです。

日頃本を開き、「仲よし」とか「気の合う」とか「好いた同士」とかいう活字が眼に映ると、僕は心がうぶな娘の心のようにときめくのを感じます。また、路上や電車の中などで、中学生などの親密な狎れあいを眼にするとき、僕の胸は消しがたき淋しさに襲われます。

僕はこれまで女の友達など持つ機会もなくて過ぎてきたせいか、わが身に恋人を想像することよりも、一人の友の腕を欲する心の方が、いまも強いのです。僕はどうやら、子分肌、弟分肌に生れついているようで、人に頼る気持がいつまで経っても抜けずにいます。