후리가나로 읽는 일본 고전
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おちぼひろい
落穂拾い・犬の生活
小山 清
小山 清의 落穂拾い・犬の生活(おちぼひろい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 239,741자 · 486화면
また、寮長が味噌を持ってきてしっかり養生してまた働いてくれと云ったときにも。夕張に来た最初の冬に躯を悪くして仕事を休んでいた頃、風呂で寮長と一緒になったとき内地へ帰れと云われて途方に暮れたことがある。病気になったからと云って帰れる身の上ならば、はじめから北海道くんだりまでやって来はしない。あのときは心細い思いをした。ここで辛抱してみろなどと云われると、順吉の身としてはお世辞でも嬉しい。平素どちらかと云えば沈んで見える顔つきに、わだかまりのない明るい表情が浮かぶ。おすぎはそばにいて順吉を感じやすい人だと思った。
「北海道は寒くていやでしょ。」
「ええ。はじめの年は寒かったな。でもことしは慣れたせいか、それほど寒いとは思いませんよ。」
世の中はいやなことばかりではない。苦しいことのあとには楽しいことがある。諦める心は同時にまた期待する心である。順吉はそれを経験で知っていた。順吉がまだ十の年に母親に死別れて独りで世の中に投げ出されたとき以来、齢をとるにつれてまた境遇の変るたびごとにいわば肉体的な手応えのように実感してきたのである。
母一人子一人の身の上であった。