후리가나로 읽는 일본 고전
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ふとん
蒲団
田山 花袋
田山 花袋의 蒲団(ふとん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 44,870자 · 90화면
「今度のこそ、芳子さんですよ」
と姉は言った。
果してその足音が家の入口の前に留って、がらがらと格子が開く。
「芳子さん?」
「ええ」
と艶やかな声がする。
玄関から丈の高い庇髪の美しい姿がすっと入って来たが、
「あら、まア、先生!」
と声を立てた。その声には驚愕と当惑の調子が十分に籠っていた。
「大変遅くなって……」と言って、座敷と居間との間の閾の処に来て、半ば坐って、ちらりと電光のように時雄の顔色を窺ったが、すぐ紫の袱紗に何か包んだものを出して、黙って姉の方に押遣った。
「何ですか……お土産? いつもお気の毒ね?」
「いいえ、私も召上るんですもの」
と芳子は快活に言った。そして次の間へ行こうとしたのを、無理に洋燈の明るい眩しい居間の一隅に坐らせた。美しい姿、当世流の庇髪、派手なネルにオリイヴ色の夏帯を形よく緊めて、少し斜に坐った艶やかさ。時雄はその姿と相対して、一種状すべからざる満足を胸に感じ、今までの煩悶と苦痛とを半ば忘れて了った。有力な敵があっても、その恋人をだに占領すれば、それで心の安まるのは恋する者の常態である。
「大変に遅くなって了って……」
いかにも遣瀬ないというように微かに弁解した。