일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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はくめい

薄明

太宰 治

太宰 治의 薄明(はくめい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 9,073자 · 18화면

아오조라 문고

東京の三鷹の住居を爆弾でこわされたので、妻の里の甲府へ、一家は移住した。甲府の妻の実家には、妻の妹がひとりで住んでいたのである。

昭和二十年の四月上旬であった。聯合機は甲府の空をたびたび通過するが、しかし、投弾はほとんど一度も無かった。まちの雰囲気も東京ほど戦場化してはいなかった。私たちも久し振りで防空服装を解いて寝る事が出来た。私は三十七になっていた。妻は三十四、長女は五つ、長男はその前年の八月に生れたばかりの二歳である。これまでの私たちの生活も決して楽ではなかったが、とにかく皆、たいした病気も怪我もせずに生きて来た。せっかくいままで苦労を忍んで生きて来たのだから、なおしばらく生きのびて世の成り行きを見たいものだという気持は私にもあった。しかし、それよりも、女房や子供がさきにやられて、自分ひとり後に残されてはかなわんという気持のほうが強かった。それは、思うさえ、やりきれない事である。とにかく妻子を死なせてはならない。そのために万全の措置を講じなければならぬ。しかし、私には金が無かった。たまに少しまとまったお金がはいる事があっても、私はすぐにそのお金でもってお酒を飲んでしまうのである。