후리가나로 읽는 일본 고전
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ばらふじん
薔薇夫人
江戸川 乱歩
江戸川 乱歩의 薔薇夫人(ばらふじん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 8,967자 · 19화면
宮城社長は、社員のお世辞を叱って見せたが、むろん怒っている顔ではない。商売上ではなかなかのやり手だが、女好きでお人よしの、社員にとっては、心のおけない好社長であった。
ビルの石段をおりると、運転手がリンカーンのドアをひらいて待っていた。
「河田町」
手近の別宅である。午後五時少しすぎ、車は河田町の四つ角でとまった。
「帰ってくれたまえ。いつもの通り、朝は迎えに来なくてもいい」
宮城社長は、わざと別宅の一丁も手前で、車をとめさせる習慣であった。彼は車が遠ざかるのを見定めてから、例の鞄をかかえて、別宅とは逆の方角へ歩き出した。町角を四つほどすぎて、大通りに出ると、通りかかった小型自動車を呼びとめて「市ヶ谷駅」と命じた。
市ヶ谷駅で降りた時には、いつの間にかソフトがハンチングに変っていた。そのまま駅の手洗所に入って、合外套をぬぐと、それを小さくたたんで、鞄の中へ入れた。折りたたんだソフトも、そこにはいっていた。それから、近くの駅までの切符を買い、電車には乗らないで、駅の別の出入口から町に出て、今度は中型のタクシーを拾った。
次に水道橋駅の手洗所から出て来たときには、ズボンが折目のとれた古い薄茶色のギャバジンに変り、靴もいやに派手な型のものに一変していた。