후리가나로 읽는 일본 고전
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かいろこう
薤露行
夏目 漱石의 薤露行(かいろこう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 19,925자 · 40화면
――舟は流し給え」
かくしてエレーンは眼を眠る。眠りたる眼は開く期なし。父と兄とは唯々として遺言の如く、憐れなる少女の亡骸を舟に運ぶ。
古き江に漣さえ死して、風吹く事を知らぬ顔に平かである。舟は今緑り罩むる陰を離れて中流に漕ぎ出づる。櫂操るはただ一人、白き髪の白き髯の翁と見ゆ。ゆるく掻く水は、物憂げに動いて、一櫂ごとに鉛の如き光りを放つ。舟は波に浮ぶ睡蓮の睡れる中に、音もせず乗り入りては乗り越して行く。蕚傾けて舟を通したるあとには、軽く曳く波足と共にしばらく揺れて花の姿は常の静さに帰る。押し分けられた葉の再び浮き上る表には、時ならぬ露が珠を走らす。
舟は杳然として何処ともなく去る。美しき亡骸と、美しき衣と、美しき花と、人とも見えぬ一個の翁とを載せて去る。翁は物をもいわぬ。ただ静かなる波の中に長き櫂をくぐらせては、くぐらす。木に彫る人を鞭って起たしめたるか、櫂を動かす腕の外には活きたる所なきが如くに見ゆる。
と見れば雪よりも白き白鳥が、収めたる翼に、波を裂いて王者の如く悠然と水を練り行く。長き頸の高く伸したるに、気高き姿はあたりを払って、恐るるもののありとしも見えず。