후리가나로 읽는 일본 고전
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やぶおとし
藪落し
山本 周五郎
山本 周五郎의 藪落し(やぶおとし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 7,118자 · 14화면
よく晴れた秋の日で、草の葉を揺るほどの風もなく、澄透るような空気の中に、翅虫のうなりが静かに聞えていた。
――裕吉、坊や。
勘三郎は栗林の中から出て、両掌で口を囲いながら叫んだ、それから丘を下りて道のうえしたを捜しはじめた。けれども子供の姿は見えず、泣く声も聞えてこない、勘三郎は沢のほうへ走りだした。
日暮れ近くに、勘三郎は気狂いのようになって村へ駈けつけた。人々が集められた、提灯や松火を持った幾組もの人たちが、裕吉の名を呼びながら山へ登って行った。
収穫の終るころで、どこの家も忙しい最中であったが捜索は三日のあいだ続いた、けれどついに子供をみつけだすことはできなかった。
――藪落しにかかったのだ。
みんなそういうことに一致した。
もと与石のものだった檜山からかんば沢のほうへ十丁ばかり行ったところに、その地方で金竹と呼んでいる細い篠竹の密生した斜面があった、幹も葉もなめらかな膏を塗ったような笹で、四十度ばかりの傾斜をびっしりと埋めている、その斜面の尽きるところが断崖になって、五十尺ばかり下をかんば沢の水が滝をなして流れているのだ。誤ってこの笹に踏込むと、そのまま斜面の笹を滑って断崖から墜ちる、鹿や熊さえもしばしばそこで命を失うのであった。