후리가나로 읽는 일본 고전
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のみ
蚤
斎藤 茂吉
斎藤 茂吉의 蚤(のみ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 2,585자 · 6화면
僕は致方がないから、病人用ベッドのカバアを改良して袋にした。そうして全身裸でその中にもぐり、くびの処を巾著のように締めるように工夫して、毎夜辛うじて明かすことが出来た。それでも翌朝袋の中を見ると、蚤が五六ぴきから十ぴき位這入って居り居りしたものである。それほど寄宿寮には蚤が多かった。
学生らは、いわゆる勤倹尚武だから、蚤なんかにまいってしまうような学生は学生でないような顔付をしたが、僕はなかなかそういう具合には行かなかった。
それから数十年が経過した。追々国民の衛生思想が発達し、春秋の大掃除も励行せられ、或る家では、畳の下に新聞紙を敷き、その上にナフタリンを撒いて、蚤を幼虫のうちに退治することが出来るので、一般に蚤の発生が尠くなって行った。地方の旅館などでも、蚤の居る旅館の方が却って少いというほどまでになった。
僕は柿本人麿の歿処を考証するために石見国を旅行したことがあったが、石見の僻村旅館でも蚤のいない旅館がいくらもあるという状態にあり、僕は一般衛生思想の発達に感謝した程であった。
しかるにどうであろうか。一たび戦争になるや、急転直下に蚤の発生が増大し、如何ともすべからざるまでに至った。