후리가나로 읽는 일본 고전
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じゃせいのいん
蛇性の婬
田中 貢太郎
田中 貢太郎의 蛇性の婬(じゃせいのいん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 26,880자 · 54화면
湖のなかにも小舟が右に左にあたふたと動いていた。それは皆俗に杭州舟と云っている苫を屋根にした小舟であった。その小舟の中に舳を東の方へ向けて老人が艫を漕いでいる舟があって、それがすぐ眼の前を通りすぎようとした。許宣はどの舟でもいいから近い舟を呼ぼうと思って、その舟に声をかけようとしたところで、どうもその船頭に見覚えがあるようだから竹子笠を冠っている顔に注意した。それは張河公と云う知己の老人であった。許宣はうれしくてたまらなかった。
「張さん、張さん、おい張さん」
許宣の声が聞えたとみえて、船頭は顔をあげて陸のほうを見た。
「おれだ、おれだ、張さん、湧金門まで乗っけてくれないか」
船頭は許宣を見つけた。
「ほれ、主管さん……」
船頭は驚いたように云って艫をぐいと控えて、舳を陸にして一押し押した。と、舟はすぐ楊柳の浅緑の葉の煙って見える水際の沙にじゃりじゃりと音をさした。許宣は水際へ走りおりた。
「気の毒だが、湧金門までやっておくれ、保叔塔へ焼香に往ってて雨を喫ったところだ」
「そいつは大変でしたね、早くお乗んなさい、わっしも湧金門へいくところじゃ」
「そうか、そいつはちょうど宜い、乗っけてもらおう」