일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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はえおとこ

蠅男

海野 十三

海野 十三의 蠅男(はえおとこ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 118,129자 · 237화면

아오조라 문고

て汗をふいた。

「なんという怪奇!」

帆村は疲労を一本の莨にもとめて、うまそうに紫煙をくゆらせながら、呟いた。今しがたのあの恐ろしい格闘の光景を思い出すと、また急に気が遠くなりそうであった。彼は随分これまで狂暴な殺人犯人にも出会ったが、いくら狂暴でも獰猛でも、この怪奇なる組立て人間「蠅男」に較べると作り物の大入道ほども恐ろしくはなかった。怪物蠅男の出現は、人間の常識を超えている! 神か、魔か? どうしてこんな奇異な人間が存在し得るのか?

それにしても、蠅男が鴨下ドクトルに化けていたのを今迄誰も知らなかったとは、なんという迂濶なことだろうか。帆村も、それを真逆今日になって発見しようとは考えていなかった。丁度旅から帰ってきた鴨下カオルと上原山治と一度会ったとき、不図放った帆村の質問から、偽ドクトルの仮面が剥げはじめたのである。しかもその話の最中に二人の若き男女は、偽ドクトルに呼ばれて、この階上に来た筈であるが、怪しくも何処へ行ったものか、影さえ見えない。帆村はそれを蠅男の狂悪性と結びあわせて、思わずブルブルと身慄いを催した。

「こうしちゃいられないぞ」

帆村は吸いつけたばかりの二本目の莨を灰皿に捨てて、スックと立ち上った。