후리가나로 읽는 일본 고전
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まちはふるさと
街はふるさと
坂口 安吾의 街はふるさと(まちはふるさと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 193,435자 · 389화면
板戸に心ばり棒を下して立ち去った。
エンゼルが急に冷淡になったのは、ここ四、五日のことである。そして旅行から帰ってくると、記代子に一言の言葉もかけずに、いきなり、閉じこめてしまったのである。
記代子はわけが分らなかった。子分がカン違いして、部屋をまちがえたのだろう。エンゼルは、自分がこんな部屋へ入れられて、心ばり棒で閉じこめられていることを知らないに相違ない。知っていて黙っている筈はあり得ない。
記代子は戸をたたいた。
「エンジェル! エンジェル!」
力いっばいの声をはりあげて、叫んだ。その声は、塀の外までは届かなくとも、この家中には鳴り響いた筈である。心ばり棒を外して現れたのは、エンゼルではなくて、子分であった。いきなり一つ、ぶんなぐって、
「バカヤロー、兄貴はヒルネができなくって、怒っているぞ。ぶんなぐられないようにしろ。兄貴に愛想づかしをされたんだから」
睨みつけて、戸をしめてしまった。昼めしには、お握りを二つくれただけであった。
格子窓の向うに、便所の手洗いの窓が見えた。ときどき、子分がその窓から、こッちをのぞいた。それを見ると、寒気がするほど不快で、思わず顔を隠したが、エンゼルもきっとそこへ姿を見せるに相違ないと思うと、窓際から動くことができなかった。