후리가나로 읽는 일본 고전
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せいりんず
西林図
久生 十蘭
久生 十蘭의 西林図(せいりんず)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 10,309자 · 21화면
と、いいかけて、顔を赧くした。冬木は、わざと聞きとがめるように、
「なんといったんだ?」
と、はぐらかしてしまったが、すると、きょうの鶴鍋は、句のことではなく、文女に関係のあることなのだと、あらためて、はっとした。
文女は横浜の親戚へ見舞いに行って、あの大空襲にあい、その後、生死不明のままになっている。冬亭はそのころ、毎日、横浜の焼跡へ出かけて、日ねもす文女の消息をたずねまわり、秀麗な趣きのある顔が、見るかげもないようになってしまった。
鹿島の孫娘の文子が、冬亭のところへ作句の手ほどきを受けにくるようになったのは、日華事変のはじめごろだったろうか。冬月師の門下に加わって、俳名をもつようになってからも、冬亭のところへ句作をもって行って、批評をきいていた。
文女は肉置きのいい大柄なひとで、坐りはじめたら、褄もうごかさずに何時間でも坐っているという、どっしりとした風格だった。
はじめて冬亭の書斎で逢ったとき、ひきつめにして、薄紅い玉の簪をしていたが、その玉は、なにか途方もないものらしく、深く沈んだ光が、冬木の眼をうってやまなかった。藍系統のくすんだ着付に、ざっとした帯をしめているので、更紗かと思ったら、シャンチョン宮の狩猟の図を織りだした精巧きわまるゴブラン織だった。