후리가나로 읽는 일본 고전
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しょっかくのせかい
触覚の世界
高村 光太郎
高村 光太郎의 触覚の世界(しょっかくのせかい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 4,161자 · 9화면
私はその音を足の裏から聞いたと思った。その音は全身を下の方から貫いて来て、腹部の何処かで共鳴音を造りながら私の心に届いたようにおぼえている。
音楽の力が生理的要素から来るのは分かり切った事である。ワグネルの或音楽をきくと若い独逸人は知らぬ間にポルーションを起すという。私にはその経験こそなけれ、其れに近い恍惚を感ずる事は事実である。音楽に酔うというのは卑近に言えば酒に酔うというよりも、むしろマッサアジに酔うという方が近い。どうかすると性に酔うようなものである。其処を通りぬけて心霊に響くからこそ、あの直接性があるのであろう。私は一時、一晩でも音楽をきかないと焦躁に堪えられない時期があった。今考え合せてみると、其れは私が制慾剤ルブリンで僅かに一日を支えていた頃の事である。素よりそういう時の音楽への渇望は、純正な音楽への帰依から見れば、むしろ冒涜なのであった。しかし其の効果を別にして、交響楽の演奏者の数を予め作曲家が幾人以上と希望するいわれはないのである。
私は曾て帝劇で、シュウマン ハインクのお婆さんの歌をきいた。その歌の巧拙は姑く措いても、その声のキメの細かさ、緻密さ、匂やかさ、そうして、丁度刀を鍛える時に、地金を折り返しては打ち、折り返しては練ったあとのような何とも言えぬ頼もしいねばり強さと、奥深さとに驚嘆