후리가나로 읽는 일본 고전
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ふしょうしたせんろとつき
負傷した線路と月
小川 未明
小川 未明의 負傷した線路と月(ふしょうしたせんろとつき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 4,078자 · 9화면
月は、さっそく、町から村へ、村から山の間へというふうに、力のおよぶかぎり、レールの告げた汽罐車をさがして歩いたのです。ちょうどその時分、鉄橋の上を走っている汽車がありました。月はその汽罐車ではないかと飛び下りてみましたが、番号がちがっていました。
月は海岸という海岸、野原という野原をさがしてまわりました。そして、いたるところに汽車が走っているのを認めました。貨車ばかりのもあれば、また客車に貨車がまじっていたのもありました。海岸では海水浴をしている人間もありました。彼らは、「ほんとうに、いい月夜だこと。」といって、砂浜でねころんだり、また暗い波の中を泳いだりしていました。客車の窓からは、人々が頭を出して、海の景色をながめながら、笑ったり、話したりしていました。
しかし、この汽車の汽罐車も、月のたずねている番号ではありませんでした。こうしてほとんど同じ時刻に、地上をたくさんの汽車が走っていましたが、レールのいった汽罐車は、トンネルの中へでもはいっていたものか、つい月の目にとまりませんでした。
涼しい一夜を送って、レールは、もはや、昨日の苦痛を忘れてしまいましたけれど、約束をした月は翌日の夜も、レールを傷つけた汽罐車を探してまわったのでした。