후리가나로 읽는 일본 고전
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ひんみんくらぶ
貧民倶楽部
泉 鏡花
泉 鏡花의 貧民倶楽部(ひんみんくらぶ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 55,333자 · 111화면
まことや既に仏果を得て、勇猛精近の行堅固に、信心不退転の行者なれば、爾き黒暗闇の裡に処しても真如の鏡に心を照せば、胸間霽れたる月のごとく、松の声せず鏡の音無きも結句静処を得たりと観じ、寂寞として水晶の数珠爪繰りて泰然たり。
ややありて戸の外に物凄き婦人の声して、
「駿河台の御隠居様、貴女は御嫁女の光子様を余り非道に遊ばしたゆえ、地獄へ御連れ申しました。ここをどこだと御思い遊ばす。」
言下に老婦人は色を作しぬ。
婦人の声は後に廻り右よりまた左より、同一言を繰返せり。それより寂として天地に声無し。
すべての人、光明に逢えば眼に愉快を感じ、闇中にある時は心に苦痛を見る。もしそれ老婦人をしてかくてあることを久しからしめば、終に必ず狂せむ。不意に音あり、戸は開きぬ。同時に照射入る燈火の影に乱髪、敝衣の醜面漢、棍棒を手にして面前に来れり。
老婦人は見ざるがごとく、秋毫も騒げる色無し。渠はあえて害を加えんとはせで、燈火をそこに差置きたるまま、身を飜して戸外に去りぬ。
と見れば、四方は荒壁なる五坪ばかりの土間の中に筵の上に載せられたるものあり。
つい眼の前には板戸のごとき大肉俎の据られしに、犢大の犬の死体四足を縮めて横われるを、いまだ全く裂尽さで、切開きたる脇腹より五臓六腑溢出で、血は一面に四辺を染めたり。