후리가나로 읽는 일본 고전
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あかいかしゃ
赤い貨車
宮本 百合子
宮本 百合子의 赤い貨車(あかいかしゃ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 35,168자 · 71화면
教授は色のわるい平手で、ぐるりとまばらに髯の生えた自分の顔をなでまわして云った。
「……ふむ、今日は埃っぽくて、あまりぞっとしない天気だ」
「そうですとも」
隣のカンヴァス椅子から、ねずみ色の肩かけを胸の上であわせた肥った女が答えた。
「だいたいことしの天気はお話になりませんよ。気候まで昔とはなんだか様子がちがって来た。こんな寒い夏なんて! 聞いたことがあるでしょうか。十度ですよたった!」
彼女は心臓病で、一日この下宿のテラスに坐り通しているのであった。
プーシュキン見学団は、のろのろ往来を横切り、エカテリナ宮殿のバロック式窓の外で半円を描いた。彼らが立って一せいに見ている往来に一匹犬がいた。犬も立ち止って見学団を眺めた。人通りが往来にふと絶えたので、遠くからその様子を見ると、見学団はさながらその犬について説明を傾聴しているように見えた。
テラスの手すりに深くのり出してもたれ、笑いながらこの光景を見おろしていた一人の女が、声高に、
「ウラジミール・イワノヴィッチ、ちょっとごらんなさい」
と叫んだ。はげのこった髪をくりくり坊主のように短くして、太短い眉、あから顔の電気技師が女のそばへ行った。