후리가나로 읽는 일본 고전
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あかひげしんりょうたん
赤ひげ診療譚
山本 周五郎
山本 周五郎의 赤ひげ診療譚(あかひげしんりょうたん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 23,548자 · 47화면
伊蔵は黙った。
そのとき若いほうの男が、右手をふところへ入れながら、なにか云おうとし、去定がそれより早く、自分は養生所の新出去定という医者だ、と名のった。どうやらその名を聞けば相手がぎょっとする、とでも思ったらしい。少なくとも多少のおどろきは期待していたようだったが、若者の顔つきにはなんの変化もあらわれなかった。そこで去定の眼にほんの一瞬当ての外れたような色がみえ、登は可笑しくなったが、笑うわけにもいかなかった。もちろん去定はすばやく立ち直った。
「よく聞け」と去定は云った、「どこでどういうまちがいがあったか、おれは知らぬ、だがこの男は昨日の夕方、豊島郡中丸村の鼠山で倒れていた、早道をするつもりで崖から落ち血まみれになっているところをおれがみつけた、それから養生所まで運んで手当をしたのだが、――そのまちがいというのは、いつ、どこで起こったのだ」
「昨日の暮六つ、水戸さまの脇だ」と若者が云った。女のようにやさしいが、その声もまたきみの悪いひびきを帯びていた、「おめえ、先刻ご承知じゃあねえか」と若者は笑った、「知っているからこそ、先手を打って、豊島だの鼠山だのって、方角ちげえの場所を並べたんだろう、じいさん、そうだろう」